[予防歯科]歯周病から歯を守るということ

歯のトラブルの原因など歯周病が原因と考えられる症状は下記のようなものがあります。 

1、歯磨きをすると、出血がある 
2、歯ぐきの色が部分的にうっ血したような色になった 
3、疲れたときや忙しいとき風邪など引いて
   体調が悪いときなどに
  口の中に不快感を感じたり口の中の調子が悪くなる

4、朝起きたとき、口の中が粘る感じがある 
5、口が臭う気がする、または身近な人に指摘される 
6、歯ぐきが腫れている、膿が出る 
7、歯ぐきが痛むもしくはムズかゆい 
8、歯がくらぐらしている 
9、歯の間が空いてきた 
10、歯ぐきが下がり、歯が長くなったように見える 
11、歯が前に出てきたように見える 
12、歯と歯の間に物が挟まるようになる 
13、歯石が付いている 

などです。 

「歯周病」は歯の周りの病です。

成人日本人の8割が罹患している病でもあり
歯を失ってしまう結果の半数以上を占める原因でもあります。
 

歯周病「歯周病」は 歯を支えている骨や歯を支えている組織を破壊していくため歯の機能を低下させそのまま病を放置してしまうと歯そのものを失ってしまいます。

自覚症状がない状態で進行していく病なので、発見が遅くなってしまい手遅れにならないうちに正しい行動を起こすことがとても大切になります。 一生のうちで繰り返す病の「風邪」は症状がわかりやすく現れるため患者さんや家族、周りの方が経験から身につけた知識とそれに合わせた対処方法を知っている方が多いものです。そのため病状や病態を正しく認識しそれに合わせた対処が早い段階で開始されます。

それに対して歯周病は骨を溶かしていく病気で進行すると歯が抜けてしまうこともあるという病にもかかわらず進行しても自覚症状を感じにくいという特徴があり「歯周病」は肝臓疾患と同じようにサイレント・ディジーズ(静かなる病)と呼ばれます。

多くの場合、口の中の変化として歯周病がわかりやすいかたちであらわれるのが30~40歳頃、歯周病で歯が抜け始めるのが40~50歳頃の方が多いため「歯周病」は細菌感染症にもかかわらず加齢的な変化のひとつだと勘違いされていることも多いようです。

自覚症状を感じにくく多くの場合病気の進行がゆっくりで歯周組織の破壊もゆっくり進むためにそのように感じている方が多いようです。

また強い自覚症状が表れて症状が消失した時に歯周組織が健康な状態に戻って、元どおり治ったと認識してしまうことにも注意が必要です。

患者さん自身もそうですがご家族や周りの方々も経験からくる正確な現状確認や正しい判断ができない状況であるため現れている症状がどのような病態であるかを正しく認識することが難しいため、必要な対処法を早期に実践することができず「歯周病」の進行や病状を悪化をさせてしまっている現状が日常で繰り返されています。

歯周病は歯周病関連菌による感染症です。

図1 歯牙 歯周病は、歯槽膿漏と呼ばれていた疾患のことです。
むし歯は「歯」そのものを痛めてしまいますが、歯周病はその字の示すように歯の周りの病気です。

歯の周りには歯を支える「骨」をはじめその骨と歯を連結し食物を噛むことで美味しい感じたり歯の周りの健康を守るための「歯根膜」、骨の表面に張り付いている歯ぐきといわれる「歯肉」、歯根膜が歯とつながるために必要な「セメント質」が歯を支えてくれています。

歯を支えるための組織が病になると支えを失った歯は口腔内にとどまることができず放置して重症化してしまうと抜けてしまうこともあります。

図2 歯周組織 炎症(発赤、腫脹、疼痛、熱感、機能障害)を起こしている状態でいると体の免疫力が低下したときなどに歯周組織が破壊されて歯周病が進行してしまいます。そのような状態を繰り返してしまうことで支えを失った歯は機能を失い歯そのものまでも失う結果になってしまうのです。

「歯」の名称
歯周病は原因も治療方法も管理の仕方もわかっており
管理次第で歯周病で歯を失ってしまうことは無くなります


「歯周組織(歯を支えている部分)」の名称
歯周病を健康な状態へしていくために必要なことを身につけることはとても大切です。必要なこととは大変で難しいことを続けたり自宅での口腔内管理のためにいろいろとたくさん準備して開始することでもありません。 健康回復し健康維持するために本当に必要なことを選択することと1日15分くらいの時間を確保できればあとは治療管理に対する正しい知識と正しい行動です。

口腔内細菌 

歯周病とむし歯の原因の菌は違う

「歯周病」の原因菌はむし歯の原因菌と菌そのものが違います。歯周病に関連する菌は歯の周りに生息しやすい環境ができると繁殖しはじめます。

菌が繁殖して、成熟した状態になると菌達が生成してしまった物質や菌に対して生体が反応しはじめます。歯周病関連菌に歯を溶かす性質はありませんが生成物質は歯周組織を破壊してしまう細胞やそういった状態をつくる物質を過剰分泌させてしまうため歯周組織の破壊や歯を支えている骨を溶かしてしまう現象を引き起こします。そのような状態で強い炎症反応が局所で起こっているにもかかわらず生体は自覚症状を感じていません。

風邪などはひきはじめに自覚症状がわかりやすい形であらわれるため、自覚症状に合わせて悪く(病)ならないように食事を変更したり休息をとったり薬を飲み始めたりと比較的早い段階で療養行動を開始することが多いものです。そのため、病に移行するまえに健康な状態にとどまることも多く病に移行する人も少なくなります。

それに対して、歯周病は自覚症状を感じた時にはかなり病が進行しており健康にもどすまでに時間がかかってしまうという病態も特徴的です。 

歯周組織が病になると 

「活動期」と「静止期」を繰り返し歯周組織(歯を支えている部分)が破壊され病状が進行し状態が悪化していきます。

歯周病の「活動期」は病の進行するとき悪化するときです。しっかり進行や悪化を食い止めることが大切になります。歯周病の「静止期」は自覚症状がない時期です。「静止期=静かなる病」の状態で健康ではありません。この状態のときに歯周組織を病からしっかり健康な状態に戻してあげることが大切です。

歯周組織の健康に必要でないことの排除、コントロールと同時に歯周組織の健康に必要なことを行動しはじめることとそれの習慣化に集中していくことが大切です。

必要な行動と習慣化


歯周病は歯周病の関連菌による細菌感染症です。歯周病に罹患し発症してしまう方は全身的には免疫力、局所的には歯周病関連菌の繁殖状態のバランスを考える必要があります。 

宿主と細菌の関係 

 局所的には歯周病の原因の除去と歯周病関連菌が住みやすくなってしまう歯周ポケットの閉鎖を宿主サイドは免疫力を下げてしまうもののコントロールと排除と同時に食事運動睡眠といった体を正常に保つための健康管理の実践。免疫力を下げたり抵抗力を下げてしまうことは体には本来必要のないことです。健康管理に対する正しい知識と実行が大切です。 

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 歯肉炎は字のごとく歯肉に限局した炎症であるため歯を支えている骨へのダメージはありません。歯周炎は歯肉を含む歯の周りの組織に炎症が波及している状態です。

歯周病分類

進行するときに現れる細菌 

図8 歯周病の進行 

 歯周病の進行は一番左のように進行は慢性疾患としての時間の経過とともに悪化していくのではなく病という状態になって活動期(悪化病状進行)静止期(自覚症状感じにくい状態)を繰り返し歯周組織を破壊していく真ん中のような進行をしていきます。そのため何度か活動期を繰り返した歯周組織に支えられていた歯は噛みにくくなったり自発痛をともなったりと炎症症状を見えやすい形で表現してきます。歯周病患者さんの9割以上は「慢性歯周炎」であるため進行悪化の仕方は同じようなようすになります。1割くらいの患者さんは「侵襲性歯周炎」という状態の患者さんは一番右のような様子で病が悪化進行していきます。 

進行してしまう前に症状を早い段階で発見してあげることが歯のためにも歯周組織のためにも必要です。 

病が進行すると自覚する症状はわかりやすい形で現れます。しかし、症状が現れたときには病は進行していることが多い為歯周組織が炎症症状として教えてくれている症状を発見してあげることができれば感染症としての側面で病が進行していくことが無くなります。

このバランスが崩れると免疫的な反応が症状として現れてきます。

 その中で「歯磨きをすると、出血がある」という状態は風邪のひき始めの寒気がしたり倦怠感などの体が感じる症状と同じように歯周組織が教えてくれる歯周病の初期症状の一つです。

炎症は歯と歯の間の歯肉から発症するため「歯磨きをすると、出血がある」前に歯と歯の間の歯肉の色が赤く変化してきます。そのため、デンタルフロスや歯間ブラシを使われる方などは使われない方に比べてより早い段階で炎症の初期症状を発見することでき、初期症状に対して早い段階で対処することがでるため健康な状態から大きく離れてしまうことも少なく自然と元気な歯周組織を使って自分の歯で食事を美味しく摂られているかたが多くなります。

宿主(患者さん)が口腔の健康管理人としてどの段階で異常に気付けるかがポイントになります。 

出血を自覚しされたら不安になったり歯を失ってしまうことを考えて怖がったりする必要はありません。大半の歯周病は進行が遅くゆっくりと進みます。反面、進行がゆっくりであっても原因除去や悪縁のコントロール排除といった対処を正しくせずに放置してしまっていては必ず進行します。進行が遅いからといって油断は禁物です。進行の遅いといった性質をしっかり理解した上で正しい療養行動を習慣化していきましょう。

出血する状態は健康ではありません。

出血は因に対する果であり自覚症状が弱い炎症を起こしている病の状態です。歯周組織が助けを求めている合図としてとらえ、歯周病の「静止期」に必要な行動開始しましょう。自己判断で対処していく前に直接歯を支えてくれている骨を含む歯周組織の状態を歯科医院で正しく確認をしてもらうことが大切です。「口腔という臓器」がどのような状態にあり個々の歯を支えている歯周組織の現状を正しく認識することが健康への近道となります。

自覚症状が強く表れていない静止期にはいっているかたはこの時期にしっかり健康を取り戻す良い習慣と正しい管理を開始するできるように早めに歯科医院へご相談ください。また、そのような状態を定期的に管理することや生活環境の整備もとても大切になります。「口腔という臓器」のあなたにあった管理方法を一緒に考えていきましょう。

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