予防歯科

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「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして、社会的にも、すべてが満たされた状態にある」 

 ”Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.” WHO「健康の定義」より

もともと体は健康から始まることが多いものです。その健康な体の状態を維持していくための一番目の臓器として「口腔」が存在しています。また、昔から「口は病の入口禍の出口」といわれ自分自身や関わるすべての人の健康で泰で幸せな人生を愉しんでいくために口を正しく健康に保つことはとても大切なことです。体は健康を維持するために各器官や組織、臓器は存在し助け合っています。そのバランスが崩れたときに病となり健康状態に調えていくことが必要となります。体の最小構成単位の細胞に健康維持機能がそなわっているようにその細胞でできている器官や組織、臓器にも健康維持する仕組みが備わっています。

口腔も例外ではありません。

お口の健康をたもつために口腔は体に対して一番目の臓器として位置しているため、入口を健全に調えておくことはとても大切になります。

また体に対して口腔が健康維持に役立っているように口腔と言われる臓器にも健康に保つための仕組みが備わっています。

口腔という臓器を健康に保つために存在している仲間とそれらにどのような性質と性格があり個々の役割と連携のあり方を知り宿主としてどのような管理をしていくことが必要なのかを考えてみましょう。整理をしてみるととても管理のしやすい臓器だということにきっと気づいていただけると思います。

口腔という臓器の「機能」とその機能を保つために存在している「仲間」を紹介します。

口腔の機能

口腔の機能は以下の3つです。

①咀嚼 体を健康に保つために必要な栄養素を摂取吸収しやすい状態にする
②発音 コミュニケーションを円滑に円満にしていく
③審美 形態美・色彩美・機能美の調和を図り人々の幸福に貢献する

口腔を健康に機能させる仲間

口腔という臓器を健康に保つために存在しているものは歯と歯を支えている組織それらを関連づけている粘膜、それらを守り次の臓器へ移行を円滑にしてくれる唾液、口腔内の状態を正しく保ってくれている常在菌などでなりたっています。

 

口腔の健康維持するために集った主なる仲間たち

①歯     28〜32本存在し咀嚼と発音を主に担う
②歯周組織  歯にかかるストレスを軽減しサポートする
③粘膜    口腔の表面にかかる内外ストレスを干渉する
④唾液    歯や歯周組織が機能しやすいようにサポートしまた口腔といわれる臓器を正常に保つ   
⑤舌     咀嚼や発音の補助
⑥常在菌   外から入ってくる細菌や刺激から口腔内を守り正しい状態に保つために存在(約700種類)
⑦筋肉等   咀嚼と発音を運動面からサポートする   

お口の健康をたもつために

それぞれが連携し関連付けられているためそれらの正しい取り扱い方と適切な管理方法を実践していくだけです。

口腔と言われる臓器を必要以上にいじめないことも大切なことですが過保護に扱う必要もありません。

病の状態であれば健康にもどし、そして生涯にわたって自らの健康状態を自覚するとともに健康の維持と増進をしていくことが大切です。口腔を健康にしていくためにまた健康な状態を自覚し維持増進していくために、健康状態を正しく自覚し現状の正しい認識をすることがとても重要になります。

助け合っている仕組みを正しく認識しどこにフォーカスして健康を取り戻し維持増進していくかを選択したうえで正しい行動を習慣化していくことがとても大事になります。続けることよりも習慣化することで健康回復維持増進は面倒なことではなくあたりまえのこととなり本来やるべきことに臨むときストレスなく集中しやすい体と思考を取り戻すこともできます。

そのため、個人のライフスタイル(食事、睡眠、運動)の多様化また集団としての個人がいろいろな在り方ができるようになってきているので各個人に合わせた健康回復維持増進を考えていくことを大切に考えています。

口腔内の正しい現状把握としっかりさせていただいた上で仕事やライフスタイルなどの状況をお聞かせいただくことにより患者さん各々に合わせたプランを患者さんと共に考え療養行動や健康維持をしやすい環境作りのお手伝いを心がけています。

そのなかで「口腔の健康」を考えるときに私たちの大切にしている3つの柱があります。

第一の柱は”歯牙”といわれる歯の健康
第二の柱は”歯周組織”(歯を支えている部分)の健康
第三の柱はブラキシズムなどの管理
(歯や歯周組織へかかる過度のストレスによる健康破壊)お口の健康をたもつために

口腔を健康にした上でこの三つの柱を守っていくことで口腔の健康の維持をしやすくなります。 (それぞれについては予防概念のページで詳しくお伝えしていますのでご参考にしてみてください)

患者さんに安心て話せる環境をつくりご一緒に治療経験や療養行動を振り返ることにより、習慣化しやすい自己管理行動を考え選択をしやすいよう偏りのない正しい情報を十分提供できるよう努めております。自らが健康状態を管理し療養行動による善い結果を実感できるようサポートしておりますのでお気軽にご相談ください