保険で白い歯にできるって本当?
以前は「銀歯」が当たり前だった保険の歯科治療ですが、現在は一定の条件を満たせば、保険でも白い被せ物を使用することが可能になっています。主に使用されるのは「CAD/CAM冠」と呼ばれる白いハイブリッドレジン製のクラウンで、見た目の美しさと耐久性を兼ね備えた素材です。この制度は2014年から段階的に拡大されており、現在では前歯(1番〜3番)や条件付きで小臼歯・大臼歯にも適用されるようになっています。また、2023年12月1日の保険制度改定により、これまで保険適用外とされていた、第二大臼歯・第三大臼歯(親知らずを含む)に対しても、CAD/CAM冠用材料(Ⅴ)=PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)材が保険適用されるようになりました。
保険で白い歯、こんな方におすすめ
- 銀歯が目立つのが気になっている方
- セラミック治療に興味はあるが、費用を抑えたい方
- 奥歯まで白く自然な見た目にこだわりたい方
- 金属アレルギーがあり、メタルフリー治療を希望する方
白い被せ物に使われるCAD/CAM冠とは?

保険適用で使用される「CAD/CAM冠(キャドキャムかん)」は、ハイブリッドレジンという
素材を用いた白い被せ物です。CAD/CAMとは、Computer Aided Design / Computer Aided Manufacturingの略で、コンピューターによる設計・加工システムを指します。
この技術を使うことで、精度の高いクラウンを効率的に製作することが可能になりました。
ハイブリッドレジンは、樹脂とセラミックの成分を組み合わせた複合素材です。従来のレジン
単体よりも耐久性・審美性に優れており、自然な白さとある程度の強度を持ち合わせています。これにより、従来は金属しか選べなかった部位でも、見た目に配慮した治療が保険の範囲内で
行えるようになっています。また、従来はかぶせものだけでしたが、
2022年4月の保険制度改定で詰め物も適用可能になりました。
CAD/CAM(保険で白い歯)にするメリット・デメリット

保険診療の範囲内で、審美性・耐久性・安全性を考えるなら、銀歯よりCAD/CAM冠を選ぶ方をおすすめいたします。
一般的に、虫歯治療のあとに装着する被せ物としては「銀歯(メタルクラウン)」が長年使われてきましたが、現在では、保険適用内でも自然な見た目と耐久性を兼ね備えた「CAD/CAM冠」が選べるようになっています。 CAD/CAM冠は、セラミックとプラスチックを融合させたハイブリッドレジンという素材で作られており、歯の色に近い白さと強度を両立しています。見た目が美しいだけでなく、金属を使用しないため金属アレルギーの心配もありません。
さらに、銀歯はプラークが付きやすく、虫歯や歯周病の再発リスクが高まる可能性もありますが、CAD/CAM冠は表面がなめらかで清掃性が高いため、口腔内の健康維持にも貢献します。
つまり、見た目・健康面・費用対効果を総合的に考えると、CAD/CAM冠は現代のスタンダードともいえる白い被せ物です。
メリット | デメリット |
---|---|
審美性 銀歯に比べて自然な白さがあり、見た目が気にならない | 経年劣化 セラミックに比べて、変色・摩耗が起こりやすい |
費用 保険が適用されるため、自己負担額が抑えられる(3割負担で約5,000〜10,000円) | 強度 強い力が加わる奥歯では食いしばりが強い人は、破損のリスクがある |
金属アレルギー対策 メタルフリー素材で、金属アレルギーのリスクがない | 適用範囲の制限 すべての歯に使えるわけではなく、部位や症例によっては保険外となる |
費用と見た目のバランスを重視される方には、保険での白い歯治療は有効な選択肢です。一方で、長期的な美しさや耐久性を求める場合には、自費治療との比較を行うことが推奨されます。
保険適用の条件
【前歯(1〜3番:中切歯・側切歯・犬歯))】

上下の前歯に対しては、原則として保険適用が認められています。審美性と機能性の両方が求められる部位であり、白いCAD/CAM冠を使用することが可能です。
【小臼歯(4番・5番)】

上下の小臼歯は、2014年からCAD/CAM冠が保険適用の対象になりました。保険で使用するには、咬合や残存歯質の状態など、一定の診断基準を満たしている必要があります。
【大臼歯(6番・7番:第一・第二大臼歯)】

2023年12月1日の保険制度改定により、第二大臼歯や第三大臼歯(親知らず)を含むすべての大臼歯において、CAD/CAM冠用材料(Ⅴ)=PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)冠が保険適用の対象となりました。 これまで、奥歯には咬合力が強くかかるため、従来のCAD/CAM素材では適用部位に制限がありました。しかし今回の改定によって、PEEK冠が使用可能になったことで、大臼歯にも保険で白い被せ物を装着できる選択肢が広がっています。
- PEEK冠の特徴
- 高性能プラスチック素材(ポリエーテルエーテルケトン)
- 軽量かつ高強度で、咬合力の強い部位にも適応
- 金属を使用しないため、金属アレルギーの心配がない
- 耐久性・耐薬品性・耐熱性に優れ、口腔内の温度・湿度変化にも対応しやすい
- 装着時の快適性が高く、違和感が少ない
治療の流れ
- 1
- 初診・カウンセリング
患者様のお悩みやご希望をお聞きし、お口の中の状態を確認します。必要に応じてレントゲン撮影などを行います。
- 2
- 診断・治療計画の立案
保険適用の可否を判断し、対象となる部位にCAD/CAM冠を使用できるかを説明します。治療方法・費用などもあわせてご案内します。
- 3
- 歯の形成・型取り
被せ物の適合性と咬み合わせを高めるため、必要な範囲で歯の表面を整えた後に、精密な型取りを行います。
- 4
- 技工所での製作
被せ物を設計・加工します。製作期間は通常3週間前後です。
- 5
- 装着・調整
完成したCAD/CAM冠をお口に合わせて装着し、咬み合わせや見た目を調整します。
- 6
- メンテナンス
装着後は定期的なメンテナンスを行い、破損や変色がないかをチェックします。
費用の目安
費用の目安 | 6,000円~7,000円(税込) |
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